ここからは、イメージだけではなく、製剤そのものの「特徴」の違いについて解説します。
価格に違いが出る背景には、「承認の有無」「期待される持続期間」「製剤の性質」などが関係しています。
これらの違いを理解することで、ご自身の希望に合った製剤を選びやすくなります。
日本の厚生労働省による承認の有無
アラガン社製の「ジュビダームビスタ」シリーズと、一般的な韓国製ヒアルロン酸のひとつの違いは、日本の厚生労働省による製造販売承認を取得しているかどうかという点です。
アラガン社製の製品は、国内の臨床試験を経て有効性と安全性が確認された上で、製造販売承認を得ています。
これは、医薬品・医療機器としての品質が、日本の公的な基準で担保されていることを意味します。
一方、多くの韓国製ヒアルロン酸は、現時点では日本の厚生労働省の承認は得ていない「未承認医療機器」に分類されます。
ただし、これは直ちに「危険である」という意味ではありません。韓国のKFDA(食品医薬品安全処)や、ヨーロッパのCEマークなど、各国の安全基準をクリアしているものが多く流通しています。
未承認品は、医師が個人の責任において輸入し、その性質を確認した上で使用します。
「日本の承認基準をクリアしている安心感を優先するか(アラガン)」、「海外の基準を参考に、コストパフォーマンスを優先するか(韓国製)」という点が、選択の基準となります。
期待される持続期間の違い
ヒアルロン酸を注入した後、その状態をどの程度維持できるかという点にも違いがあります。
アラガン社製のシリーズ(ボリューマ、ボラックスなど)は、高分子と低分子のヒアルロン酸を密に結合させる独自の「バイクロス技術」が用いられています。
この技術により、体内の酵素で分解されにくい構造となっており、個人差はありますが、最長で18ヶ月〜24ヶ月程度、良好な状態が持続することが期待できます。
一方、韓国製のヒアルロン酸の持続期間は、一般的に半年〜1年程度を目安とされることが多いです。アラガン製と比較すると、徐々に体内に吸収されるスピードが早い傾向にあります。
持続期間が短いことは、必ずしもデメリットだけではありません。「まずは一度試してみたい」「もし好みが変わった場合に備えたい」という方にとっては、なじみやすい持続期間といえます。メンテナンスの頻度や、トータルの通院回数を考慮して選ぶのが良いでしょう。
形をキープする力と仕上がりの質感
ヒアルロン酸製剤には、それぞれ「硬さ」や「粘度(ねばりけ)」に特徴があります。この性質の違いが、仕上がりの印象を左右します。
アラガン社製の「ボリューマ」や「ボラックス」などは、弾性が高いのが特徴です。
組織を押し上げる力や、その場に留まる力が強いため、鼻筋を整えたり、あご先をシャープに見せたり、頬をリフトアップさせて維持するのに適しています。
時間が経っても横に広がりにくいため、形をシャープに保ちやすいというメリットがあります。
韓国製のヒアルロン酸もバリエーションは豊富ですが、比較的柔らかく、組織になじみやすい性質を持つ製品が多い傾向にあります。
強い形成力が必要な部位では、時間の経過とともになだらかに感じる場合がありますが、その分、触ったときの感触が自然で、表情を作ったときの違和感が少ないといった利点があります。
1ccあたりの費用相場(自由診療)
クリニックによって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
- ・アラガン社製:1ccあたり 6万円〜10万円前後
- ・韓国製:1ccあたり 1.5万円〜4万円前後
この価格差には、承認取得のためのコスト、技術料、品質管理体制の違いなどが反映されています。
アラガン社は医師へのトレーニング体制も充実しており、そうした「安心と技術維持のための付加価値」が価格に含まれているといえます。
一方で、韓国製はコストを抑えることで、品質を保ちながらも継続しやすい価格を実現しています。ご自身の優先順位に合わせて選択することが大切です。